「ガロア理論の頂を踏む(石井俊全著)」p. 472, 474

ガロア理論の頂を踏む(石井俊全著)」p. 472 引用ここから「

前の節の定理でn次円分体Q(ζ)から、x^n - a =0の1つの解n√aを加えたQ(n√a, ζ)への拡大では、Gal( Q(n√a, ζ)/Q(ζ) )が位数nの巡回群になりました。実は、この定理の逆が言えるのです。

」引用ここまで

 

定理6.4を見ると、巡回群Gal( Q(n√a, ζ)/Q(ζ) )の位数は、nではなく、nの約数である。

 

ガロア理論の頂を踏む(石井俊全著)」p. 474 引用ここから「

Gal(L/K)はσで生成される位数nの巡回群であるとします。

」引用ここまで

Kが1の原始n乗根ζを含む体と定理6.5中に記載しているが

Gal(L/K)の位数がnであることが定理6.5中に前提として記載されていない点奇異に感じられる。

 

定理6.5については以下のように考えればよい。

Kが1の原始n乗根ζを含む体で、L/Kがガロア拡大で、Gal(L/K)が位数sの巡回群であるとき(sはnの約数)、

Kの元aがあって、Lはx^n-a=0の最小分解体となる。

」という定理が証明できる。

ξを1の原始s乗根とする。Kが1の原始n乗根を含んでいるので、Kはξを含んでいる。

Gal(L/K)={e, σ, σ^2, …, σ^(s-1) }

α = c + ξ^(s-1)  σ(c) + ξ^(s-2)  σ^2(c) +…+ ξ  σ^(s-1) (c)

すると、σ^i(α) = ξ^i α

σ(α^n)={σ(α)}^n= (ξα)^n=α^nより、α^nはσで不変でKの元である。

以下同様。