「ガロア理論の頂を踏む(石井俊全著)」p. 94

 

ガロア理論の頂を踏む(石井俊全著)」p. 94

引用ここから「

h を (Z/pZ)* の原始根とします。このとき、h の mod p^n での位数を m とします。
h^m ≡ 1 (mod p^n) より、h^m ≡ 1 (mod p) で、h の mod p での位数が p - 1ですから、m は p - 1 で割り切れます。m = s(p - 1) とします。すると、h^s の mod p^n での位数は p - 1 です。ここで g = h^s とおきます。
1, g, g^2, …, g^(p-2)
は、h で表すと指数がすべて m = s(p -1) 以下ですから、mod p^n でみてすべて異なります。もちろん、mod p で見たときもすべて異なります。

」引用ここまで

 

1, g, g^2, …, g^(p-2)mod p で見たときもすべて異なる点については以下のように考えればよい。

 

{1, h^1, h^2, ・・・, h^(m-1)}が
位数が(p-1)*p^{n-1}である(Z/p^nZ)^*の部分群なので、
ラグランジュの定理より、
m(=s(p-1))は、(p-1)*p^{n-1}の約数。
よって、s = p^iとかける(iは0以上n-1以下の整数)
hは(Z/pZ)*の原始根なので
h^(p-1)≡1 (mod p)
例えば、i=3だとすると(一般の場合も同様)
h^s= h^{p^3} h^{(p-1+1)*p*p}= h^{ (p-1)*p*p +p*p}= h^{ (p-1)*p*p) }* h^{p*p}= #
ここで、
h^{ (p-1)*p*p) }= (h^(p-1))^(p*p)≡1^(p*p)≡ 1 (mod p)
同じことをh^(p*p)についても繰り返せば、
#≡h^p≡h (mod p)

1, h^s, h^2s, ・・・, h^(p-2)sがmod pで見ると、
1, h, h^2,・・・, h^(p-2)である。
hが原子根なので、
1, h^s, h^2s, ・・・, h^(p-2)sがmod pで見たときにすべて異なる。