「ガロア理論の頂を踏む(石井俊全著)」p. 468

ガロア理論の頂を踏む(石井俊全著)」p. 468 引用ここから「

Gal( K(n√a)/K )は巡回群です。

」引用ここまで

 

当該ページの議論では、f(x)=0の解のうちn√a ζ^tのtが最小となる正の数をdとして、

σ(n√a)=n√a ζ^dとおくと、dがnの約数になる点については議論している。

n=sdとして、Gal( K(n√a)/K )の元として、σ, σ^2, …, σ^sが考えられる点については議論されている。

 

しかしながら、Gal( K(n√a)/K )の元がこれら以外に存在しないことについては議論がされていない。これについては以下のように考えればよい。

 

f(x)=0の解にn√a ζ^t でtがdの倍数とならないものが存在したと仮定する。すると、

τ(n√a)=n√a ζ^e (ここでe>dでeはdの倍数ではない)

とできる。

eはdの倍数ではないから、e=qd+r (ここで1≦r≦d-1)とできる。

σ^(-q) τ(n√a)=σ^(-q) (n√a ζ^e)=n√a ζ^(e-qd)=n√a ζ^r

これは、dの最小性に反する。